blog
■旅の巾着ドネーション
2025.05.31
今年の初め、南インドのアーユルヴァストラの工房を訪ねました。
そこで出会ったのは、とても若い、そしてとてもまっすぐな目をした夫婦。
彼らは、インドでも最も貧しいと言われるビハール州から、出稼ぎのためにその地へ来ていました。
私が訪れる数日前、夫の男性が仕事中にハシゴから落ち、腕を骨折してしまったのです。

働けなくなった彼を支えるために、
私の師匠クマールさんは日々病院に通い、金銭的にも精神的にも支え続けていました。
私も何度も病棟を訪ねるうちに、若い夫婦の中にある“絶望”の正体が見えてきました。
私たちなら、骨折と聞けば「時間はかかるけど治るもの」と、知識と経験から自然にそう思う。
でも彼らにとっては未知の恐怖だったのです。
「もう治らないかもしれない。働けなければ生活ができなくなる」そんな不安で、ふたりは泣き崩れていました。
それでもクマールさんは、片道2時間近くかけて、毎日夫婦に会いに行っていました。
「自分の子どもを抱きしめるように、ふたりに愛情を伝えたいから」と。

同時に、私は現実も見ていました。
納期の迫る仕事や人との約束、滞っていく連絡や作業。
それなのに、目の前の彼らは“今”に生きている。
ときに約束の時間に遅れたり、何をしていたのか分からないような空白があったり。最初は腹立たしく思うこともありました。
でも、見えてくるのです。彼らが大事にしている「正義」や「優先順位」が。

チャイを飲んでいた時間も、誰かを励ます時間だったり、祈りを捧げていた時間だったりすること。
私たちの“常識”や“効率”とは違う、大切な時間の使い方があるということ。
私にできること
私は毎回、自分の意思で工房と職人たちに寄付をして帰っていました。
でも今回、クマールさんから初めて直接、援助の要請がありました。
内容は、アーユルヴァストラにまつわる利権的なことなので割愛しますね。
ざっくりいうと
アーユルヴァストラという名前をクマールさんが使えるようになるためにまとまったお金が必要だということです。
そうすると国からも金銭的な援助を受けやすくなり設備を整えることができるということです。
私だけでは大きな寄付はできないので皆様にドネーションという形でご参加いただければと
旅を詰め込んだ巾着を作ることにしました
旅の祈りを詰め込んだ「インドの旅巾着」
今回のインド旅で感じたこと、祈ったこと、出会った人たちとの時間。
そのすべてを、ひとつの巾着袋にぎゅっと詰め込みました。

巾着の中には、旅の途中で神さまに捧げていた花や、ビブーティ(聖灰)、ギーを使ったDIYA(オイルランプ)などが入っています。
今回の旅は、まさに「祈りの旅」でした。
そして、この巾着を縫ってくれたのは、ビハール州出身の奥さん。
この案を思いついた時に彼女に興味あることを聞いたらソーイングをしてみたいということだったので
街のテーラーにお願いして一緒に作ってもらうことにしました。
ミシンを触るのも初めてだったので、布を裁断し1からゆっくり丁寧に仕上げてくれました。
サンプルとは少し違った仕上がりになりました( ˊ̱˂˃ˋ̱ )
それもまた味。アーユルヴァストラの生地でできた、やさしい風合いのかわいい巾着ができました。
あまりにも販売できない。。。っというレベルのものを最初渡され、どうしていいか分からず
笑ってしまった作品は展示会場で見てもらおうかなw

テラコッタに入ったgheeのDIYA。
村では、ギーオイルを使ったDIYAを灯していた。合成の蝋燭は使わないと言っていた。
火を灯すととても甘く優しい香りがします。



他にも、アーユルヴァストラのニームの葉っぱ、インドの封筒や神様シールなど。
今回の旅で出会ったものたちです。
この巾着は展示会場にも並べますが、「欲しいな」と思ってくださる方は、ぜひDMでご連絡ください。
ひと巾着1200円です。(送料込み)
おひとり様おいくつでも大歓迎です。
いただいた金額は、全額インドの工房に寄付させていただきます。